挑戦する絵本作家、中垣ゆたかさんの描く世界観は映画が培った?素敵な絵本と壮絶な過去をご紹介。

出典:ぐるたび

こんにちは!

絵本って読みますか?

筆者は9歳の娘がいるのでまだまだ絵本が身近な存在ではあるのですが、最近では大人も読む絵本が増えてきているようですね。

絵本っていろんな大人が読んでもたくさんの気付きがあったりしてとても面白いんですよね。

そんな中でも独特の画風で素敵でおしゃれな絵本を創っている中垣ゆたかさんについてご紹介いたします!

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中垣ゆたかさんのこと、知りたい!

中垣ゆたかさん プロフィール

1977年 福岡県北九州市小倉生まれ。

9歳の時に神奈川県の横浜市青葉区に家族で引っ越し、高校の終わりごろに町田へ。

以後ずっと町田に住み続けている。

大学生のころ突然原因不明の病に倒れる。

その後5年間もの間実家で療養することになる。

出典:二河白道

謎の病発症。映画に救われる。

中垣さんは大学生の時に原因不明の病に突然倒れます。

病院の先生からは「あまり自宅に籠りっぱなし良くない。なるべく外に出歩くように。」と言われていましたが、中垣さんはあまり気乗りがしませんでした。

「気軽に散歩という気分にもなれなかった。」

そうインタビューで答えていますが…

そりゃそうですよね。

そんな時、近所のTUTAYAに映画を借りに行くんだったら外に出られるかもしれないと思い立ち、毎日車を運転して3本ずつ借りるようになります。

そのうち、観たい映画が貸し出し中だった時は別のレンタルショップにハシゴをするくらいに。

まったく外出する気がおきなかった中垣さんを映画が連れ出したんですね。

そのころ観た映画は年間1000本ほど!!

「とにかく映画が楽しくて。それに励みにもなりました。」

原因不明の病の最中、辛い毎日を救ってくれたのは映画だったのですね。

5年が経ち、決意する。

5年間の療養期間を終えた時、中垣さんは28歳になっていました。

就職活動も出来ず、今さら一般企業に就職は無理だと思った中垣さんはある決断をします。

「そうだ。イラストレーターになろう。」

当時中垣さんは落書き程度にしか絵が描けなかったそう。

だけれども、自分の好きな映画や音楽の雑誌で絵が描きたいと思うのです。

特に絵を描くことが好きだったわけではなく、そしてイラストを学んだこともない中垣さんがそう決断をしたのはどうしてなのでしょうか。

人間って不思議ですよねぇ。

仕事をもらうまで、汚い言葉も浴びせかけられた。

中垣さんはそれから著名なイラストレーターさんの事務所や音楽雑誌を出版している出版社、映画雑誌の出版社に自信のイラストを持ち込みます。

絵に関しては書物で基礎知識を少し読んだくらいの段階です。

「向いていない。」「君の絵は疲れる。」などの言葉や、時には

「汚い。」「捨てろ!」などの汚い言葉も浴びせかけられたそう。

それでもあきらめなかった中垣さん。

諦めなかったのはこんな思いがあったから。

「今から始めるのなら自分の好きなこをやりたい」

これは5年間の療養中に培った「生きる」ことへの決意みたいなものなのかもしれません。

大きな決意と大きな決断。

中垣さんのそれがこの後実を結ぶ。

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夢が叶う。

持ち込みを始めて半年後、ミュージックマガジンの目次の下の4コマ漫画の連載の仕事をもらいます。

この連載は24話で終わるのですが、その後もブログで連載を続け、この4コマ漫画は4000話を超えています。

中垣さんの4コマ漫画『町田家、あさって、しあさって』はこちらで読めます。⇒町田家、あさって、しあさって

2007年には初の個展を開催。

2010年には光文社のコンペで1600点の応募の中から入賞を果たします。

それがきっかけになり、CDジャケットや『キネマ旬報』、『ミュージックマガジン』などのイラストの仕事を手掛ける。

すごい!!!

夢が全部叶ってますね!!

「イラストレーターになる。」「好きな映画や音楽関連の雑誌のイラストを描きたい。」

このどちらの夢も諦めずにやっていたら叶ったんですね。

ほんとにすごいです!!

出典:gallery-dazzle

流れるように絵本作家になる。

その後、ひょんなことから福音館書店の『たくさんのふしぎ』シリーズの表紙から誌面までのイラストを全て担当することになります。

そのことがきっかけで児童書の道へ進むことに。

絵本作家の活動をスタートさせました。

2013年絵本『ぎょうれつ』を出版。

出典:ehonnavi

人が並んでいる様子を世界各国の名所を舞台に何ページにもわたって書いている絵本。

かなり緻密に人々を描いているさまは圧巻です。

1人1人の特徴がかなり細かく、ずっと眺めていられる絵本です。

こちらの絵本は海外でも出版されました。

この緻密で見ている人を魅了する作風が話題になり、『キンダーブック』の表紙を手掛けたり、海外での個展を開いたり、商業施設の壁画を描いたりと様々な活動をしていきます。

今の地元、町田のふるさと納税の返礼品にも中垣さんのグッズが入っているんだそうです。

ほか、にんじゃの豆知識を紹介しながら絵を眺める楽しさも詰まった「にんじゃもんじゃ」、大きな絵から主人公の3人組や青い鳥、博士などを探し出す遊び絵本「さがすえほん ごちゃまぜ」など、ページのすみずみまで楽しみが詰まっている絵本は大人が観てもとても楽しめるものばかりです。

出典:Twitter

出典:アマゾン

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中垣さんの作風を培ったのは映画?どう影響をうけたのか。

中垣さんの絵本は大きな一枚の絵に様々なものがちりばめられています。

だからころ、観ていいて飽きず、その構図をずっと楽しめる。

その作風は幼いころから観ていた、そして療養中にも助けられた映画の影響を色濃く受けていると中垣さんは語っています。

映画ってかっこいい構図の宝庫なんです。

僕はイラストレーターから絵本の道に進んだこともあって、ストーリーよりも「この構図が描きたい!」というところからスタートすることが多いんです。

中垣さんの作品にはいろんな構図の絵が登場します。

とても大胆な構図のなかに、いろんなキャラクターたちがぎっしりと隙間なく描かれる。

その様はほんとに映画のワンシーンのようなんです。

『七人の侍』のように日本人の心に刺さる様なキャラクター、『スターウォーズ』シリーズに出てくる愛嬌のあるキャラクター、それから寅さんやチャップリン、ジャッキー・チェンのように自分の好きな映画の主人公はどこかいつも頭の中にいますね。

映画が心から好きな中垣さんは仕事中に音楽ではなく映画を流すほど。

映画はとにかく別世界に連れて行ってくれる最高のエンターテイメントだと中垣さんは言います。

中垣さんは自分の絵本を通じて、映画のように別世界に連れていきたい!と思っているのかもしれません。

出典:ニ河白道

まとめ

中垣ゆたかさん、ほんとに素敵な作家さんですね。

謎の病にかかったことがきっかけで自分の人生を決める、そして動く。

決めたことを諦めない。

知識や経験がなくても決める事はできる。

そんなことを学びました。

映画が彼を救い、そして力になっているなんてとても素敵です。

中垣さんのチャレンジの様子は11月20日日テレで放送のRe-TRY~人生の挑戦者たち~で観ることができます。

ぜひ!!

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